治療を振り返って&止まらない血

家に着く間際に、先ほどの治療を振り返った。


指先に力を入れて、
右腕の特定の場所を挟むように押さえていると出血しない…
中はどうなっているんだ?


……患部の肘に関しては、
特定の部分がぐちゃぐちゃらしく、
これをどうするのか目の前で交わされる会話の途中で、
「『アンルーフ』します?」と、
看護師が医師に考えを打診したときは、
医療知識がゼロな自分でも、
何かよくないことが起こりそうな気がしたので、
「えっ!?だめだめだめだめ」と、あわてて拒否した。
「ここでやるのは、空気中にも菌がありますし神経も多く通って…」と
医師もその提案をやんわり却下して、ほっとした……


Kにお礼を言い、家で汗をぬぐってベッドで横になった。
右腕は胸の上においたまま、ぼーっとして時間が過ぎるのを静かに待ち、
部屋の明かりをつけたまま眠ろうとがんばった。


患部をテープなどで相当きつく巻かれていたため、
不快でしょうがない。どうなっているか目で確認すると、
何やらまたシミが広がっていた。血だ。
どうしたっていうんだ!
またあの病院に行かなければならないのか?
そんな気力は残ってなかった。
ベッドの上でぼんやりと、
しばらく現実から逃げていた。