真夜中のネットでお買い物

部屋に来た母が「どうやった?」と聞くので、
いっぱいで診察できないらしいから、
明日朝一でどっかへ行くと答えた。
すると母は、
「もし入院したら誰がキャットフードを買うん?」と言う。
「は?」
「いまからインターネットで」
「いま?」


要するに、パソコンが使えない母は、
我が家の猫たちのフードを、
私が代わりにネットで購入しているのだが、
自分が不在となると猫たちが困るから、
今からPCを立ち上げて買えと催促しているのだ。
入院なんてするわけがないけれど、
母が万一のケースを考慮していること、
そして私よりネコたちの心配をしていることに対して、
さすがだと思わざるを得なかった。


さて、やるしかない。
何か息をするのもいつもと違う気がしながら、
利き手でない左手でマウスをクリックする。
かわいい猫たちのためだから仕方がない。
しかし気分が悪くなってきた。


後ろから、
「さっき電話したところでええやん、朝行く病院。
 ○○(叔母の名前)もええ言うてたし」
だから、何がどういいんだとうんざりしながら、
キャットフードを買う作業に集中していた。


PCの電源を落としてから再び横になった。
時計は午前2時を指していた。疲れた。
重たく、締め付けられるような痛みが続く。
眠ったかどうかわからない。
ただ、早く夜が明けてほしかった。