待合

どこの病院でも同じような光景だと思う。
カウンターの中では始業に向けてスタッフが忙しく動き、
発券機のような機械の前では、
診察を受けにきた人たちが並んでいる。
病院慣れしていない自分にとって、
オープン前にもかかわらず、
こんなに患者が来ていることには驚いた。


初診ということで、
入ってすぐのカウンターで手続きをせねばならなかった。
初診時は、初診料などの費用がかかるのだが、
総合病院のそれは高い。
意味が分からないものだなどと不満げに、
黙々と所定の用紙の記入事項欄を埋めていった。
手首まで包帯で固定されていないので、
思ったよりも字が書けた。


外来の手続きを済ませてから、
1番の窓口である
整形外科の窓口に行ってファイルを渡し、
自分の番号を呼ばれるまで待ちはじめた・・・。


昨日よりも体が熱っぽくてだるい。
だから待合で静かにしていたい。
そんな願いとは裏腹に、付いてきた母が非常にしゃべる。
祖父母の診察や入院に付き添った話や、
それらの病院との外観の比較など、
今はどうでもいいことをしゃべり続けた。
気分がわるいため「あぁ」などとから返事をするだけなのに、
脈絡のないトークが加速するばかりである。
頼むから帰ってほしかったがここは我慢して、
時間が過ぎるのを待つことにした。


30分ほど過ぎた。本当に長く、そしてしんどい。
しびれをきらして受付にあとどれくらいかを尋ねた。
朝一に初診申し込みをしたつもりだったが、
次から3人目だそうである。


「○○さんですか?」
うつむいていた顔をあげると、
看護師と思われるスタッフが来ていた。