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ラバブダール

だいぶ良くなった。入浴時に失神しかけて以来、
酒を断ち規則正しい生活を心がけた結果、
来月からはバリバリ動けそうだ。
後日ゆっくりと、
先日少し家を留守にしていたときのことに触れていきたい。


遡ること2週間前、
体調が完治しないまま羽根を大きく伸ばしすぎた反動か、
隣席の会社員らしき中年男性のビールと弁当の匂いがもとなのか、
下りの新幹線に乗ってすぐに気分が悪くなる。
客席にいるとちょっと危ないので
ずっとトイレ近くでたむろして出たり入ったりしていたところ、
運良く通りかかった乗務員に事情を説明すると、
快く多目的室を貸してくれた。
多目的室とは扉に明記されているように、
授乳のためや気分のすぐれない人に使われる臨時の部屋であり、
通常ロックされているので立ち入ることはできず、
乗務員により開錠される二畳ほどの空間である。
やっと多少気分的にマシになり、ありがたくそこでじっと座ることができた。
時折乗務員の方が様子を見にこられると思い、鍵は開けておくことにして、
静かに時間が過ぎるのを待っていた。そしてその通り過ぎていった。
しかし新大阪駅停車後、
それまでは誰も入ってくることがなかったこの部屋に、
乗客が度々入ろうとする。扉の字が読めないのだろうか、
「うわっ」「誰かいるやん」「ちゃうやん」「なんで?」などと、
とりあえずいきなり開けてくる。
何がどう違うのか分からないし、理由を聞かれる筋合いもない。
偶然そういった好奇心溢れる客が多く乗り込んで来ただけかもしれない、
という断りはしておく。
新横浜や名古屋、京都通過後には何もなかったのだが、
いわゆる大阪は根本的にどこか感覚が異なる事実を目の当りにした。
もちろん好き嫌いとかそういう気持ちは全くなく、
ただ、鉄道文化的分布のフィールドワーク調査チーム、
もしくは地域別規範行動の相違を調べる臨床実験の被験者の気分になった。