un cascante arrampicatore

いい道だ

医者から申し渡されたのは当面の禁酒・禁カフェイン。
まあやればできる範囲だ。
ただし、無理せず安静にという忠告は受け入れがたいものがある。
ツール・ド・フランス第10ステージでの、
感動的なピエポリとコーボのワンツーフィニッシュに発奮したのも束の間、
チームのエースがドーピング検査でひっかかってチーム失格という、
一ファンとして、まさに天国から地獄のような落ち込みを久しぶりに味わった。
それが原因で性質の悪い発作が再発したのかもしれない、と友人もいる。
自転車店の店長も、あれはないでと、珍しくがっかり気味だった。


無茶が無茶を呼ぶ性格も手伝って、
今は安静よりも何だかやるせない気持ちで一杯だったので、
連日暑いさなか、近くのありとあらゆる勾配を登りまくってやった。
涼しい風、林の香りが気持ちいい。夏本来の良さを味わう。
後日、やはり案の定容態が思わしくない。
歩くことさえだるいほど疲労している。他人からすれば、
こんな日焼けした人が病人だとはおかしくみえるかもしれないのに。
少なくともここしばらくは自転車にまたがらないようにして、
空調の利いた部屋で家猫のようにボテッとごろごろしていようと思う。
その間は録画しているロードレースも絶対再生しないつもりである。