'05ツール・ド・フランスその2

レース内容や結果などは詳しいサイトでみればいいので、
その他を書きたい。ただ、第7ステージを見た感想として、
ちょっとフェアプレーもしくはスポーツマンシップの概念は、
自転車レースにおいては希薄な感じがした。それとも
フランス人の性格がちょっとおかしいだけなのだろうか。んん。


たとえ記録的猛暑でなくても、
アルプスやピレネーを通るコースは
過酷で自転車乗りに容赦なく厳しい。
アルプスのガリビエ峠越えは見ていて、
同じ人間がやっているとは思えない、超人だ。
お世話になっているサイクルショップの店長も、
彼らは変態だ、おかしいと言い切るのももっともすぎる。
植物限界を超えた地での走行は、
ラサでの訓練でランニングする人民解放軍の話を思い出させる。
昨日からピレネーに入った第14ステージも強烈で、
映像を見る限り、
その山岳の険しさは今大会で最高レベルではなかろうか。
なんなんだ、Port de pailheresという峠は!
平均斜度8%が15km以上続くのには絶句するしかなさそうだ。さらに
そのあと下ってから、再び標高1372m、平均斜度7.3%の
Ax-3-domainesの山頂ゴールを目指すとは何と言うコースだろうか。


でもいつかは、そんな山々を走ってみたくて
仕方がなくなっている自分がいる。体が動く間に
カテゴリー超級へ挑んでみたい。
イタリアはトリノのポルタ・ヌオーヴァ駅構内を散歩したときに、
アオスタ州行の列車で自転車専用車両で楽しげに雑談する
ツーリストを見て以来、欧州での輪行は強い憧れとなっている。
もっとこういった楽しみを知っていればという感情が時々湧く。


沿道にバカンス中の観客が大勢見物に来て大会の盛り上がりを
一層引き立てており、なかには贔屓の選手を押したりとマナーの
わるい方もいるが、我が国でよく見かける小旗を手にした応援が
ないのがいい。ギャラリー各々の個性がはっきりしているのも
ロードレースのいいところだと思えた。舗装道路にチョークで
白く書かれる選手名やチームへの応援メッセージは、向こうでは
当たり前なことだけれども、それだけで格好いいし、悪魔おじさん
スーパーマンなどアクの強い衣装で登場するファンも素敵すぎる。


熱い戦いが町や村を通り、
住人やファンによって祭りとなる瞬間、
その高揚感が伝わってくるのがたまらない。
まだまだ夏を共有していたい。