influenza

たまらぬ

のどの痛みや全身のだるさなど、
何日も前から風邪ひきそうな兆候を察知していた。
ゆっくり休もうにも、そんな時に限って予定がままある。
案の定悪化して、日曜から寝込んでいる。
強力な鼻づまりと寒気、やけにひどい筋肉痛。
おまけに平衡感覚も薄れているようだ。
家族はインフルエンザということもあり、
それがうつったのかもしれない。
ただ、少し回復してきたようなので、
こうして更新している。


まったく養生せず、
空いた時間は常にどんなメガネがほしいのかを
考えたり実物を見に行ったりしていたから、
大きく体調を崩すのかもしれない。
一般人として全く落ち着きが足りていない。


さて、今かけているメガネが全体的に痛んできたので替えたい。
ということで普段かけるための理想的なメガネを新調しようとしている。
理想とは、阪急電車のカラーと練り羊羹の色の、ちょうど中間の色をした
フレームがほしい。わかる人にはわかるのだが、
上手く伝わらない人に理解してもらうのが難しい。
自分にとって至高のメガネを実現させるには、
まず実物大のメガネ・フィギュアから制作せねばならないようで、
ふとんの中でデザインをデッサンしている。
でも、頭痛のせいでか、描いた図面が不自然に歪んでいる。


ただひとつ懸念があって、
最近は、いわゆる臙脂色の品物ばかり集まってきていて、
スニーカーや夏物のシャツ、もらいもののタオルがそうである。
意識的ではなく急激にエンジ色が増えてきている。
エンジづくしな人間もどうかと思うので、
そのフレームの色でいいのか冷静に判断するためにも、
もう少し時間を置いて再考すべきなのかもしれない。


街の半分以上の眼鏡店で見てまわって思ったことは、
少なくとも日本の眼鏡職人と呼ばれる人たちが、
伝統の継承という点での職人にすぎなかったということだ。
ものとして大変素晴らしい出来だと思う。
でも本来、衣服でも靴でも、
身につけるものをこしらえる作り手はまず第一に、
それを着る人にフィットした品々を作るのが大切な仕事ではなかろうか。
今回ちょっと気になってほしかった、
レトロな雰囲気のメガネは皆一様にサイズが小振りで、
無理してかけなくてはならず断念せざるを得なかった。
一つ一つ昔ながらの手作業で、加工しにくいが人に優しい金属を使って・・・
などと横から店員が説明してくれるのだが、大事なことが抜けている。
仕立て屋は着る人の採寸からだと思う。
靴職人は足型採らずして制作に取りかかりはしないだろう。
眼のことをしっかり考えていて、
自分に適したサイズが見つけにくい方々は
インテリアやオブジェとしてではない
メガネ選びは予想以上に難しいような気がする。
もしも私が海原雄山ならば、
ものすごい険相で作業場に乗り込んでいるにちがいない。


そんなわけで、至高の一品の参考材料を探すべく、
街や通りで人の着けているメガネを観察してしまう。
セルロイドのフレームは多彩な色調があるので、
すぐに目がそちらに向くが、店頭によく並んでいる色ばかりで、
これはと思ったものはない。
また、特殊な形状のは着けている人の顔がそれに負けていて貧相だ。
いいなと思ったメガネを着けている人は、その人の服装や髪型など
全体的なコーディネートが優れているのでそう思う気がする。
それと、メタルやセルロイドを問わず、
ちょっと凝ったメガネをかけている人は、
男性の場合ヒゲを多少伸ばしている人が多く、
女性の場合長身の人や髪の長い人はほとんどいないような気がした。


今はとにかく、
私から自分への誕生日祝いとして、
阪急羊羹色のメガネフレームのサンプル用意が急務としておく。