le piccola volliste

木陰

わずかな木陰にすら引き寄せられる暑さ。
連勤が終われば、自転車で行ける範囲で軽く涼みに行こうと思う。
近頃の夏の暑さは地球温暖化の影響で酷暑が続く。
幼い頃は30℃を少し超えるぐらいで猛暑だったと思うと、
異常ともいえる。
その異常さも当然な感覚になってきているのが怖い気がする。
だからこそ、なるべくクーラーに頼らない、
昔ながらの納涼というものを意識していきたい。
唐突に、ふと思い出したことがある。
小学校や中学校のときに、体育の授業で先生が
「バテるから水を飲むな」「飲む奴は根性がない」などと教えていたが、
あれは一体なんだったのだろうか。


仕事でプロのバレーボールチームの練習場に同行する。
夏休みなので、そこを女子バレー部の高校生たちが大勢利用していた。
管理者と作業をしている傍を彼女たちがぞろぞろ移動していくのだが、
「こんにちわー!」「ちわー!」「ちゃーす!」などと
元気に挨拶してくる。顔は昼休み前の練習で汗びっしょりで疲れの色がみえる。
しかしとにかく威勢がよく気持ちいい。
日頃きちんと挨拶することを叩き込まれているからだろうか、
それとも私を夏季特訓に顧問が呼んだ
臨時コーチと勘違いしているからだろうか、
いずれにせよ、指導が行き渡っているのをつよく感じさせられた。
私はどちらかというと律儀な性質なので、50人以上に渡り、
こちらも軽く挨拶し続けた。
最後は自分が何を言っているのか分からなかった。
その時、心の中では昨日見たジャック・タチ
『ぼくの伯父さんの休暇』を思い出し、
目の前の光景と相通じる滑稽さをどことなく感じていた。
この夏、何かに打ち込む全ての学生にたいして、
充実した休みにしてほしくなった。