loro penne rosse

例のペン

友人宅に招待される。着くなり次男から、
柔らかいゴム球でキャッチボールをせがまれて、
引き続きトスバッティングの相手をする。
部屋の中で豪快にフルスイングをするので、
至るところ無傷の障子はほとんどない。
3歳の割には野球センスがやけによく
投球や打球に勢いがあるので、
かまってほしい三男や床の間の日本人形に
ボールが直撃しないよう注意せねばならず、
寝不足もあいまって、緊張の持続はすぐさま疲労をもたらした。
半ば強制的にタイムを取り、到着から20分弱後やっと一息ついた。
もちろん寄ってくる三男を抱きながらである。
特徴として、
長男は話は振ってくるけれども人の話を聴いていないマイペースな車好き。
次男は既にリストの使い方が絶妙な左バッターである。右投左打、剛球。
三男はもっとも素直で愛嬌がある。
四男は大変物静かで穏やかな雰囲気を持っている。
どのように個性が生まれてくるのか非常に気にならざるを得ない。
それにしても子沢山の家はスケールが違う。
洗濯物の量。暴れっぷり。落書きのワイルドさ。
男4兄弟は伊達じゃない。
友人である父親は、以前より大分肥えていた。
月日とともに周りはどんどん太っていく。


もう一軒友人宅へ行く。
そこで教諭である友人のワイフに、
尋ねてみたところやはり持っていた、
先生が採点で使う詰め替え式の赤いサインペンを。
デザインは当時と変わっていないようだ。
どうして生徒がこれを持つのを怒っていたのか、
未だに腑に落ちずにいる。
思わずそのペンで○を、
とにかくティッシュの箱の白い部分に書いてみた。
懐かしく、そしてどことなくうれしかった。