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　披露宴における「ケーキ」入刀がご家族の要望で、
なんと、「非常に上質な牛肉のブロック」入刀となった。
いわゆるウェディングケーキに替えて、
脂の乗ったロース肉の塊にカップルが牛刀を突き刺すのである。
　あの世の牛も、まさかこのようなことに使われるとは、
思いもよらなかったであろう。傍らには血統証明書と、
新たな門出を祝う二人が、
高々とお肉を掲げた写真が添えられている。
　正直に言うと、
傍観する自分には多少の抵抗があったけれども、
微笑む新郎新婦と牛肉を、
携帯やカメラを持った出席者が取り囲み、
大いに盛り上がった瞬間であった。
　二度とお目にかかることはないであろうレアなイベント。
とにかくここは、
「ボーイ・ミート・ガール！」と言っておきたい…。


参考までに、この後にそのブロック肉は速やかに調理され、
供されるコース料理の一品となり、
来賓の舌を唸らせていた。