「あらかじめ決められた恋人たちへ」

2ndアルバム「ブレ」を試聴する。
ブレ
アーティスト池永正二氏とは直接の面識はないが、
過去にデモテープを聴く機会があったのを覚えている。
非常にシンプルでナチュラルな興味深い音を作る人で、
曲を聴いていると、いつの日か見たことのあるような
優しくてどこか懐かしい情景と、
現在のコンクリート主体である街の風景がシンクロし、
いわゆる街並の移ろいが眼に浮かぶようで斬新に感じた。
おそらく、ピアニカのまったりとした音色と、
プログラミングされた一定のドラムセッションの対比が、
結果としてそういう効果を生んでいるのかもしれない。
持論だが、聞き手に対し時間の経過を感じさせる曲は実に味わい深く、
人はそれを心のどこかで望んでいる。
そして彼の、肩の力を抜いたような曲作りセンスは
余分なものを加えない引き算的感覚に支えられているようであり、
今日日のゴテゴテしたサウンドとは一線を画しているように思う。
vjとのライブパフォーマンスも活動されているそうだが、
まずは音のみをマイペースに楽しんでみたい。


これからの季節、
ちょっと夜更かししながらぼんやりと聴いてみたくなるはず。


http://www.arakajime.com/


なお、kumagai氏を通し『あら恋』池永氏に紹介・リンク等の許可を得ています。