一蝶「蓑虫図」

年賀状の準備をと、
デザインの参考に日本画の図録を数冊手にする。
いつの日か全て手書きで届けたいと夢見つつも、
印刷の出来を考えて、絵のなかからヒントを探した。
そのなかで、英一蝶の「蓑虫図」は非常に好みだった。
木の枝に蓑虫がひとつぶら下がっている水墨画
筆のタッチや構図が絶妙で、作品から優しさが溢れている。
じっと眺めながら、こんな絵が描けたらという気分にさせられた。
もし生きておられたのなら会って、
ちょっとの間だけでもレッスンをお願いしてるに違いない。
他に、勢いのある筆捌きが特徴の守景の猿の絵にやられたが、
力強くて豪快すぎるので年賀状にはあまり向かないようだ・・・。
そうこうしているうちに日本画のおもしろさに夢中で、
年賀状の参考のことなどそっちのけになっていた。当然か。
個人的に、年賀状の挿絵は肩の力が抜けたのがいいと思っている。
まだまだ納得できる案がまとまるには時間がかかりそうである。