derubato

たまに飲むのがいい

カルピス巨峰味の美味しさが初夏の到来を告げている。
それにしても、応対してくれた中年のお巡りさんから
ものすごくブルースな雰囲気を発していたのに驚いた。
小太りで笑い顔で、物腰の穏やかさから人の良さに満ち溢れ、
どうして警官になったのか気になってしかたがないと思うと同時に、
こういう人の管轄で物騒な事件や、
厄介な取締りなど無縁であってほしい。


病気のほうは、なぜだかまだ指先の内出血がわずかに続いており、
かなり痩せてしまった実感と体力の低下以外は、
普段の生活に戻れたと思う。
ストレスの積もることが多いため疾患したと言えなくもない。
気持ちいい青空の下、心身ともにリセット&リフレッシュすべく、
ひさしぶりに運動しようと自転車のありかに行くと、
いつもとどこかおかしい。


サドルがない。
所々内部のウレタンがむき出しになるほど傷んでいたが、
愛着のあるサドルが引き抜かれフレームの穴が見え、
後部の反射板も土台の部品が残るのみの有様である。
状況に対しては冷静で、
しかしながら怒髪天を衝くとはこのことだろう。
消え去ったストレスが一瞬で復活した。
ああ、・・・俺のMTBが。


被害届けは出したものの手元に戻ってくることはないだろう。
警官の話によると奪ったシートピラーでバイクを盗むそうだ。
小さいことでワクワクするより、
もっとジャンボで楽しく夢中になれることが世の中にはあるだろうに。


担当がこの警察官でなければ、どんどんストレスが上昇して
どうかなっていたのではと思う。
とにかくいま自宅には、
指紋採取のために粉まみれにされた愛車が不完全なまま、
寂しそうに置かれている。


余談だが小学生のとき、一度だけ他人のものをくすねたことがある。
ただその後にふつふつと自責の念が頭をもたげ、
ものすごく悪いことをしたという実感が襲ってきて、
人知れず後悔とともに悲しんだ。
返そうにも相手が誰か分からないので、
ずっと机の中にしまいこんでいた。
引き出しを開け閉めするたびに、
盗んだ消しゴムが目に入って苦しくなるので、
ある日の放課後、取った場所にそっと戻しにいった。
被害に遭った方には申し訳ないけれども、
子供の頃にこのような体験をしておいて良かったと思う。