illusione

こみちの空気が気持ちいい

この夏は何かとバタバタしそうなので、
今のうちにしっかりと体力をつけておかねば、
ということで復活の祝いとしてヒルクライムしてみた。
自転車に乗ることの素敵さを改めて噛みしめながら、
森へ林へ突入を繰り返した。湿り気を帯びた緑の空気を吸い込むと、
余分な何かが出て行った気がした。


横になってぼーっとテレビをみていると、年金のニュースが流れ始めていた。
日付も変わって活発な睡魔で意識が既に朦朧としており、
ほとんど寝落ちそうなところ、突然、故・淀川長治氏が画面の前に現れた。
日曜洋画劇場での格好やセットそのままでだ。
氏はマイペースでこちらを向いて語り始める。
「はいみなさんこんばんは。今日はお金のお話です。お金、大事ですね、
 ないと困りますね。で、どんなお金かというと、年金。あの年金ですよ。
 毎月お役所に払ってますね。きちんと払ってますか?
 でもね、ある日突然なくなっちゃうんですよ。
 誰が払ったか分からなくなっちゃうんですよ。びっくりですね。・・・」
抵抗しがたいまどろみの中、眠りに落ちる寸前に幻想をみたらしい。
気がついたときには窓から朝日が差し込み部屋は薄明るかった。
現実と夢の境界で、このような突飛な夢をみた理由が思い当たらないけれども、
ありし日の解説を聞けて、ちょっと得をした気がした。