2008-01-14 カミュ『ペスト』 libro 手元に全集があったので読んでみた。ゆっくりかつ確実に、 その世界に没入していった。 バタバタと人が倒れていくことが当然の感覚になるなか、 それでもその街で生活せざるを得ない人々の中から医師を始めとし、 強力な伝染病に向き合って行動する。 非常事態に順応し対処する人間たちの内面の精緻な描写の積み重ねは、 それにしても説得力が大いにある。 慣れてしまえば特異な状況もありふれた生活も行き着くところは、 大差のないものと言いたくなるけれども、 それは感覚の麻痺なのだろうか。