独立愚連隊(1959,東宝)

 岡本喜八監督の生み出す作品のテンポやリズムが合うのだと思う。
「斬る」や「大誘拐」とか、劇と現実の間の大事なところを、
独特の臨場感をもって説得されるような気になる。
 佐藤允中谷一郎の、分かっているが核心に触れないやり取りも印象深い。
大陸的な鶴田浩二率いる集団の存在もたいへんきいている。
屋根からサイコロがぽろっと落ちて戦闘が始まってしまうシーンに、
作品をみて、それまで蓄えられてきた反戦の気持ちが、
一定の基準に達したと感じた。
 敬老の日であり、祖父の戦争に対する気持ちを思い出し、
気がつくと、時間がすっと過ぎていた。