cinema

「永遠のハバナ」(キューバ=スペイン,2003)

原題"Suite Habana" 。 ハバナに住む12人の一日を淡々と写した作品。 セリフやナレーションはなく、 あるのは車のクラクションや雨の降る音、生活音、 時折音楽が流れるくらいで、 スクリーンにはキューバの現実の姿が映し出されるだけだ。 にもかかわらず…

オー・ブラザー!(アメリカ、2000年)

"ズブ濡れボーイズ"が素晴らしい。 スタジオでレコーディングする、 目で合図を送るクルーニーがナイス。 わかる方にはわかると思うが、 「オー・ブラザー!」や、 「ダウン・バイ・ロー」のような映画が好きだ! ご存知ならどんどんおしえてほしいです。

英語の字幕で邦画をみた

感情移入度:大(知っている映画だけに) 英語の勉強になる度:大(翻訳者の個性が出る) カッコよさ再認識度:MAX(1:10のThey were the samurai!が一押し)

ドッジボール(アメリカ、2004)

先日BS2で放送。深夜だからかNHKも随分と変わったか。 無茶な話のつながりとかどうでもよくて、 勢いやテンション重視で見た。恐らく皆もそうだ。 米国大衆娯楽的な楽しみ方ができるかどうか、 鑑賞する人を選ぶかもしれない。おれは好きなほうで、 学…

街のあかり(2006、フィンランド・ドイツ・フランス)

鑑賞後にもわっと出てくる妙な安堵感は、 窮屈な場所から噴き出した自分の心の一部分なのかもしれない。 作品中に主人公は一度だけ笑うけれども、 それが現代社会への痛烈な批判で、何ともやりきれない気分になった。 セリフの削るというか、 このような口数…

『トラフィック』(1971、フランス・イタリア)

ジャック・タチの作品は鑑賞後、 言葉にできない彼独特の雰囲気に包み込まれ、 心のほこりや垢がきれいに掃除され、 いい感じの平静さがいつも待っている。 こういう人を、いまこそ必要なんじゃないだろうか。 おれの永遠のヒーローのひとり。 それにしても…

笠さんになりたくなった

『東京物語』をみながら、笠智衆氏の台詞は、 「やあ」「いやー」と始まることが多く、 またその言い方に溢れる人柄や包容力をみていた。 とにかくこれだと思った。

とりあえずボーグナイン

体調の影響もあるだろうが、 ハックマンとかニコルソンとかS.L.ジャクソンとか、 少なくともぼくにとって、 栄養ドリンクの要素をもった俳優は貴重ですね。 何かが伝わってくるから役者なのか、、、わかりません。どっちでもいいです。 他の作品でもそうです…

惑星ソラリス(1972,ソ連)

得てして、始めは面白くなさそうだったけど、 最終的に興味深いものだった作品があると思う。 そういう映画だった。 主人公が頭では分かってるつもりにもかかわらず、 謎の生命体に骨抜きにされる辺りについて、 あんな状況じゃオレもそうなってしまうのかな…

御用牙〜かみそり半蔵地獄攻め(1973、東宝)

噂には知っていたが、 ラッキーなことに思いがけなく鑑賞する機会を持つ。 勧善懲悪は時代劇の基本中の基本だが、 大まかな話の流れとオチ以外は他の追随を断固許さないシーン連発で、 飲みかけたお茶を何度もむせた。 今後こんな型破りな映画の製作は不可能…

パパは、出張中!(1985、ユーゴスラビア)

暗く重苦しい空気にぽつぽつ見えるぬくもり。 エゴとエゴの衝突と、家族の絆。 気がつくと子供の視点でみていた。 こういう派手ではないがじっくりした作品を堪能できる人間でよかったとも思う。 ナターシャがマリクに渡した手紙が、いまも気になる。 ラジオ…

アルセーニエフ「シベリアの密林を行く」

第1回目・2回目ウスリー地方探検の記録。 著者が観測隊の単なる指揮官だったのではなく、 温かさを持った鋭い観察眼と筆力が備わっていたことにより、 じっくり語り聞かせてくれたような気持ちだった。 この作品に接したことのある人には いま自分が自然と…

最後の戦い(1983年,フランス)

ジャン・レノ強すぎ。 最後のほうはよくわからなかったが、 とにかく一発目の武装したジャン・レノが怖かった。 あと医者が渋い。

独立愚連隊(1959,東宝)

岡本喜八監督の生み出す作品のテンポやリズムが合うのだと思う。 「斬る」や「大誘拐」とか、劇と現実の間の大事なところを、 独特の臨場感をもって説得されるような気になる。 佐藤允と中谷一郎の、分かっているが核心に触れないやり取りも印象深い。 大陸…

パリ空港の人々(1993,フランス)

パスポート不所持による不法入国という社会問題を取り込みながら、 さらっとした仕上がりで、テンポもいいと思った。 旅行のときのちょっとしたトラブルが、 いまは一つの話になっているというような気持ちを思わず覚えた。 食糧調達時のちょっとした笑いあ…

ダウン・バイ・ロー(1986年 米・西ドイツ)

登場人物に対してあふれ出る親近感は、 そこに言いようのない、 等身大の自分を照らし合わせてしまうからなのだろうか。 DJやってくれよとか、 「アイ・スクリーム、ユー・スクリーム、ウィ・・・」とか、 4人でテーブルを囲むシーンや分かれ道のラスト。 …

市川崑監督死去

作品のまだ半分もみていない。 技術とか細かいこともよくわからない。 金田一シリーズの監督ということで、 一ファンとしてお悔やみ申し上げたい。

ロンゲスト・ヤード(1974年,米)

静かな出だしに始まりチーム作りからエンディングまで、ただひたすら熱かった。 最後の看守長が所長にボールを渡すシーンなんか、 我を忘れて「よっしゃ、ボケ」と画面に吠えさせるほどしびれた。 プレーで看守チームを壊すところも、ほとんど不自然な感じが…

ワイルドバンチ(1969年,米)

何年来でレンタルショップのカードを作ったし、 CSはどんどん放送するし、その上腰痛で身軽に動けないということで、 気がつけば必然的に映画を見てしまっている。 この際見まくることに決めた。 時代に取り残された、滅びの美学がきらきらとしていた。 ラス…

メトロポリス(1927年,ドイツ)

誰からかすごい映画と聞いただけで、 何の予備知識もなくみはじめた。 画面に終始釘付けだった。 一見安っぽくみえるが全然そうでなく、 むしろ何の障害もなく心に溶け込む未来の建造物やロボットのデザイン、 来るべき将来に起こるであろう、いや起きている…

ミッドナイト・エクスプレス(1978年,米)

誇張があるにせよ、本当か疑いたくなる恐ろしい実話。 たった一日で大事なことがころころ変わるのは 旅行の経験からすると現実としてなきにしもあらずだと思う。 いい加減な国は、そこがまた魅力的でもあるのだが・・・。 主人公もヒーローぽく描かれてないとこ…

「よーし、わかった!」

非常に気合の入った顔が特徴である 加藤武さん演じる警部、何度みてもいい。 なんかそのセリフのところだけ繰り返し再生したりする。 険しい表情と事件解決後にみせる笑顔とのギャップや、 粉薬を噴き出すのも併せて、 定期的にその勇姿を拝見せねばならない…

『ホテル・ルワンダ』(南アフリカ・イギリス・イタリア,2004)

暴力、混乱、略奪、虐殺。まず、どうしようもない状態で、 よく千人以上の人命を守ることができたと驚く。 人の命は数では重さは量れないけど、このホテルマンの決断と勇気は真似できない。 また、上役の行動の迅速さなんかはこの国では有り得ない。 バック…

『兵隊やくざ』1965年、大映

軍隊を背景に、 当時の思想や一歩進んだ価値観を上手く織り込み、 シンプルかつ痛快に作りこんだ映画。 スカッとするだけではない、 作品の節々に洗練された何かを得る。 あのラストシーンを見終えたあとの ふっくらとした余韻は、 どことなくヨーロッパ的な…

ラーメンづいている理由

いつもと逆で、カレーよりラーメンを、 かように食べたい気持ちにさせているのは、 『たんぽぽ』(東宝、1985)のせいなんだ。 大滝さんが餅で喉を詰まらす場面や、 店から仲間が一人ずつ去っていくラストなどたまらない。 こういうテーマを巧みに仕上げられる…

『未来世紀ブラジル』(アメリカ・イギリス、1985)

細部まで行き届いたクオリティの高い美術、 鎧武者やビルが噴出する破天荒な夢と 独特でありながら近未来を予感させる現実世界の対比と融合、 鋭利で強烈な文明批判、どれからも巨大な力がこもっていて、 途中疲労を覚えるけれども、見終えたあとの心の中の…

『七人の侍』1954年 東宝

リアルだ。 当時の民俗や町・山村を知らなくてもそう思える。 俳優陣からの気迫もケタが違う。時代劇の枠を超越している。 この映画を言葉であれこれ表すのはむだでおこがましい。 何度でも見たい。 好きなシーンも枚挙に暇がないけれども、 人に呼ばれて家屋…

『北国の帝王』

CSのシネフィル・イマジカ様々で、 どんどん録画をせざるを得ない。撮り置きが自然と貯まる。 R.アルドリッチ監督、すごすぎる。 無賃乗車という映画として地味なテーマにもかかわらず、 この迫力や臨場感は圧巻である。 リー・マーヴィンとアーネスト・ボー…

『ノー・マンズ・ランド』(仏・伊・ベルギー・英・スロヴェニア,2001)

平和の空気の中ならば修復できる些細ないざこざが、 内戦状態では困難な事柄になり得るのが怖すぎる。 地雷は兵器の強大化の過程で生まれるべくして生まれたのだろうが、 よくもこんなに酷い使い方が出来るものだ。 上手くは言えないけれども、 戦争と平和の…

サイレント映画

今週のBSシネマはチャップリン特集で、 まともに鑑賞したのは初めてだった。 特にサイレントのチャップリンの映画を見終えた後は、 エンターテイメントという暖かい香りに包まれた感じさえする。 想像力全開で、ぐいぐい引き込まれていくのがよくわかる。 初…