笠さんになりたくなった
『東京物語』をみながら、笠智衆氏の台詞は、
「やあ」「いやー」と始まることが多く、
またその言い方に溢れる人柄や包容力をみていた。
とにかくこれだと思った。
笠さんになりたい、というのはおこがましいので、
ちょっとでも近づきたく思う。
ジャック・タチに憧れ、椎名誠氏のようなライフをモデルに、
そして今、これを機に笠智衆氏の懐の深さに学ばねばならない。
足して3で割るとどんな人間になるのだろうか。
タチと御前様は似ているか・・・。
名作中の名作『東京物語』、
いい意味で鑑賞後に無になれる作品で、
解説や談話付きで本作をみることもできるDVD特典がある。
映画を見たと同時に役者を見た、そんな気がする。
笠智衆、原節子、杉村春子、東山千栄子・・・(敬称略)。
素人の自分には分からないけど、いい俳優の条件の一つは、
見た人の人生を豊かにしてくれることなのではないだろうか。
和風のだしに例えるならば、
黒沢監督はカツオだしで、小津監督は昆布だしだと思う。