クライスト「ミヒャエル・コールハースの運命」

副題・或る古記録より。吉田次郎訳。
セッションで言うと、ベースがドライブして、
うねるラインでぐいぐい引っ張っていくような、
よくある中だるみが一切なかった。
プロレスで言うと、3対10の不規則なバトルロイヤルで、
最期はレフェリーが倒され収拾不能、よって無効試合のような展開で、
口をはさむ隙がなかった。
本の紹介文は当てにならないことがよくあるが、
「ドイツ短篇小説の最高傑作といわれる名作」はウソじゃなかった。
またひとり、自分の中のヒーローが増えた。