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　ようやく涼しいと実感した夕暮れ時。
身も心も、そして街のつくりも、
猛暑に対応できずに秋へと移ろい始めている。
風に揺れる草の緑も、いくらか穏やかにみえる。
　今夏に完全な敗北を認めた者としては、
人間をはじめ生き物にとって、
少しでも優しい夏の情景を思い描き、
わずかな残暑を惜しみたい。


　色鮮やかなシャツを着た男たち。
スタッフのお二人はというと緑と白だった。
　個人的には、夏の装いは
チャンドラーに出てくるような、
アメリカ西海岸にある邸宅の住人が着ている
あざやかな色あいの服を意識して選んでいる。
　白の半袖ボタンシャツにグレーのパンツという、
アジアな格好もありだと思うし、
ついでに言うと、
ウィンブルドンの警備をする英国軍人が着ている、
広い襟をした薄いカーキっぽいグリーンのシャツがほしくて、
ひそかに探しまわっていた。パステルな色だけどあれはいい。
どこで手に入るのだろう。
　とにかくビビッドというか原色の衣服は元気が出るので、
何着かほしいところだ。