ラーゲルクヴィスト「バラバ」

数々の悪行を働いてきた主人公は、
あまり感情を持たないうさんくさい男でしかないのだが・・・。
最後は「何やってんねん!」と、
いつの間にか応援する立場に変わっていた。
応援というよりも、
一読者のやるせなさの表れと言えるかもしれない。
 信仰とは何か、何をもって善悪を判断し得るのだろうか、
作者からの問いかけが、今も心にぽつんと存在し、、
簡単には消えそうにないのが分かる。