出血

なんだかんだと忙しさに押されながら、
1、2、3月はあっという間に過ぎていきました。
こういう暮らしぶりはいけませんね。
今年も残り9か月。よろしくお願いします。



左手でぎこちない歯磨きを済ませてから、
どれくらいぼーっとしたのだろう。
おなかのあたりがひんやりするのに気付いた。
骨折の影響で変な汗をかいたと思い触ってみるとぬるっとする。
見ると、
ケチャップがべちょべちょに着いたような左手があった。
見慣れない現実を認めるまで、何だかよく分からなかった。


カーキ色のポロシャツもよく見てみると、
血を吸収して重たい。


何かあれば遠慮なく来てと言われたこともあり、
結局はさきほどの病院に行くことしか思いつかず、
このまま朝まで自宅待機も考えはしたが、
いてもたってもいられなかった。


それにしても、車を持っていないので、
このだるい体で隣町まで電車で行くのは厳しく、
タクシーを使うのも料金や、
血で汚したときを思うと躊躇する。…冷静というかケチだな。
そこで、やむを得ず近所の友人Kに連絡することにした。
Kは「すぐ行く」と快諾してくれた。
持つべきものは友だ、本当にありがたかった。


病院に、出血したから今から向かう旨の連絡をして、
Kと出発した。
道中、私とKは今日起こったことをざっくりと話した。
ワイルドだが穏やかな性格のKは、
話の折々に「大丈夫や」と勇気づけてくれた。
精神的にはまだまだ余裕な一方、
体のだるさは
時を追うごとに増していったような気がした。