とあるバーがくれたもの

暗すぎますね・・・

煉瓦で覆われた味わいあるビルのてっぺんに、
かつて抜群に居心地の良い素敵なバーがあった。
閉店したと聞いていたので、
どうなったのか確かめたくて階段を上がっていくと、
いつものように生い茂る緑が暗がりのなかを出迎えてくれた。
この通路、この風、この景色。
その場所には新しい店ができており、
以前の面影を少しだけ残すのみとなっていた。
しかしまだビルに入って玄関に辿り着くまでの高揚感は、
記憶の中で全く色褪せず再現でき、
そこでの仲間たちとの談笑の余韻が途切れることはなさそうだ。
帰途、そういうバーに出会えたことに感謝しビルを後にする。


許されるなら仲間とワインを、
植木のあるその通路で楽しんでみたい。