『下駄の向くまま〜新東京百景』

とにかく飲酒の連続で、
こういう人のことを酒仙というのだろう。
絵も文章もたっぷりと味があり、
温かい眼差しの持ち主だとうかがわせる。
特に、下町を描かせたら本当に上手だ。
筆者である滝田ゆう氏のような感じの文体で
一度はこの日記を書いてみたいとは思うものの、
やはりここは我がオリジナリティをまだ続けていかねば、
まだ早いんだよ、と誰か偉い人にしかられそうな気がする。
もちろん技量があればの話である。
読みながら、頭の中で東京の地理をイメージするのが
ことのほか楽しいとは知らなかった。
多分この本に出てくる下町などでは今日、
盆踊りで盛り上がってそうな気がして、
一人うなずくように楽しくなった。